
知人の子どもに贈ったスケッチブックより
心の豊かさって、自然の中ではぐくまれてゆくものだと思う
『クレヨン王国』の中の人々が、子どもが、すべての生き物が
生き生きとして見えるのは、
そうした自然の中の豊かさに包まれているからなんだろうなっってこと、
きっと読んだ人なら感じてると思う。
私の小さい頃は、
小さな町で、基地があって、畑の向こうにはフェンスがあって、
おかしな場所だったけれど、
ちょっとした自然の中ではぐくまれて育った記憶は、
何にもまして豊かに残っている。
自慢だったお庭は、
ビワの木、パパイヤの木、ザクロの木、たくさんの木々に囲まれていて、
たぶんそれは防風林の役割をしていたんだけど、
そのどれもが、冒険の始まりだった。
土の上には一家を支えるだけの畑があったし、
イチゴや、よくわからない実や花がたくさんあった。
近所の鶏がお昼になるとやってきて、一緒に昼飯を食ってゆく、
春にどこからともなく湧きだしたオタマジャクシは、
やっぱりいつの間にかカエルになっていなくなっていた。
瓦屋根の小さなおうちは、どこが玄関なんて決まりはない
そんな沖縄の一般的なおうちで、
友だちも、知人も気兼ねなく上がってくる代わりに、
ときどき変な人もやってきて、
内地からお嫁にきたお母さんは、こども5人抱えて、
大変だったろう。
鮮やかで、豊かで、とんでもなく楽しかった思い出がある。
今は都市化も進んで、家族の事情もあって、
すべての子どもが大自然の中に幼少時代を過ごせるわけじゃないけれど、
豊かさは、どこにだってある。
ほんのちょっと足を運べば、山も谷も川もある。
子どもたちには、そんな体験をして、
この星に生きる子どもたちとして、この星の子どもとして、
豊かに育ってほしいと祈っている。
そして、もうひとつ、
本とか絵本とか、映画とか、アニメとか、いろんなものが、
子どもたちを豊かにそだてると知っているから、
きっとそんな素敵なものに出会ってほしいなと思う。
そしたら何も、悲観ばかりの日本の未来じゃなくなると思うんだ。